CONTACT US

2026/09/06

ショート動画は「企画」から考えるな|伸びた動画から逆算するAI時代の作り方

毎回ゼロから企画を考える必要はない。InstagramやTikTokで実際に伸びている動画を分析し、その「構造」をAIで自社向けの企画・台本へ変換する方法を解説します。

四辻 俊昭

ショート動画を作るとき、多くの企業では最初にこう考えます。

「次は何を投稿しよう?」

企画会議をする。

競合アカウントを見る。

ChatGPTに「企画を10個出して」と入力する。

その中から良さそうなものを選んで台本を作る。

でも、少し変ではないでしょうか。

InstagramやTikTokにはすでに、実際のユーザーが見た結果まで出ている動画が大量に存在しています。

何十万回、何百万回と再生された動画。

保存された動画。

コメントされた動画。

反応されなかった動画。

これだけ大量の「実験結果」が目の前にあるのに、毎回ゼロから企画を考える必要があるのでしょうか。

AI時代のショート動画制作は、

企画を考える
→ 動画を作る

ではなく、

市場を見る
→ 伸びた動画を見つける
→ AIで構造を分解する
→ 自社向けに変換する

という順番で考えた方が合理的です。

この記事では、この「伸びた動画から逆算する」ショート動画制作について解説します。


ショート動画は「企画」ではなく「市場」から始める

ショート動画を作るとき、最初に考えるべきなのは、

「何を作ろう?」

ではありません。

先に見るべきなのは、

「今、実際に何が見られているか?」

です。

これは競合をそのまま真似するという意味ではありません。

見るべきなのは内容ではなく、

構造

です。

例えば、

  • どんな冒頭で始まるのか

  • 最初に何を見せるのか

  • 何秒で本題に入るのか

  • どの順番で情報を出すのか

  • セリフはどう組まれているか

  • テロップは何を強調しているか

  • どこで画角が変わるか

  • 最後に何を促しているか

まで分解します。

その構造を理解してから、

自社の商品・サービス・専門知識へ置き換える。

AIが強いのは、まさにこの変換です。

SNSにはすでに大量の「企画検証データ」がある

ショート動画の面白いところは、ユーザーの反応が公開されていることです。

例えば投稿を見ると、

  • 再生数

  • いいね

  • コメント

  • 投稿日

  • 投稿テーマ

  • 動画尺

  • 冒頭表現

などを確認できます。

つまりSNS上では、毎日大量の企画がテストされています。

企業が会議室で、

「これ伸びるかな?」

と議論している間にも、

市場ではすでに、

伸びた企画と伸びなかった企画の結果が出続けている

わけです。

この情報を使わない理由はありません。

AIにゼロから企画を考えさせるとなぜ弱いのか

ショート動画の企画会議では、よくこんなことが起きます。

「最近こういう動画流行ってない?」

「これ面白そう」

「この企画なら若い人に刺さりそう」

「ChatGPTに案を出してもらおう」

悪いことではありません。

ただし、かなり感覚に依存します。

そしてChatGPTなどの生成AIへ、

美容ブランド向けのInstagramリール企画を10個考えてください。

と入力すれば、簡単に企画案は出てきます。

問題は、

AIが文章を生成できることと、市場で本当に見られる企画を知っていることは別

という点です。

入力情報が、

「美容ブランド」

だけなら、AIも一般論から考えるしかありません。

結果、

  • おすすめ商品3選

  • 知らないと損する美容法

  • Before / After

  • ○○の正しい使い方

など、どこかで見た企画になりやすくなります。

AIが悪いのではありません。

材料が足りない。

だから先に市場を見る必要があります。


「伸びた動画を見る」だけでは分析にならない

ここで一つ問題があります。

競合分析として、

「この動画100万再生されてる!」

を見るだけでは弱い。

100万再生されたというのは結果です。

知りたいのは、

その動画がどう作られていたのか

です。

例えば、

Aの動画は100万再生。

Bの動画は10万再生。

だからAのテーマを真似しよう。

では分析になっていません。

見るべきなのは、

Aでは、

  • 0秒で結果を見せている

  • 2秒で疑問を作っている

  • 5秒で本題へ入る

  • 3つのシーンで説明している

  • 最後にBefore / Afterを見せる

一方Bでは、

  • 5秒間前置きしている

  • 商品説明から始まる

  • 映像変化が少ない

といった違いです。

ここまで分解して、初めて次の動画制作に利用できます。

テーマではなく「構造」を見る

伸びた動画を見るときに重要なのは、

「何の動画だったか」

だけを見ることではありません。

例えば同じ商品紹介でも、

商品説明 → メリット → CTA

なのか、

悩み → 結果 → 理由 → 商品

なのかで、動画の見え方は大きく変わります。

テーマそのものより、

どんな順番でユーザーの興味をつないでいるか

を見る必要があります。

100万再生でも参考にすべきとは限らない

伸びた動画=そのまま正解、でもありません。

例えば、

フォロワー300万人の芸能人が投稿した100万再生と、

フォロワー5,000人の企業アカウントが投稿した100万再生は、

意味が違います。

また、

「面白いから見られた動画」

と、

「商品購入につながった動画」

も違います。

そのため参考動画は、

  • アカウント規模

  • 動画テーマ

  • 投稿目的

  • 再生

  • エンゲージメント

  • コメント内容

  • 自社との再現可能性

まで見て判断します。


伸びたショート動画は何を分析すればいい?

実際に伸びた動画を分析するときは、最低限6つに分解します。

企画・テーマ

そもそも何について扱っているのか。

例えば、

  • HowTo

  • 比較

  • 検証

  • Before / After

  • ドッキリ

  • あるある

  • 商品紹介

  • ストーリー

などです。

冒頭フック

最初の数秒で何を見せているのか。

例えば、

  • 結果を先に出す

  • 強い疑問

  • 常識の否定

  • 問題提起

  • 意外な映像

  • Before状態

  • 強いテロップ

などがあります。

動画構成

情報をどんな順番で出しているか。

例えば、

結果
→ 問題
→ 理由
→ 方法
→ 結果

なのか、

悩み
→ 共感
→ 解決策
→ 商品

なのか。

テーマより、この順番の方が再利用しやすい場合があります。

セリフ・台本

何を話しているのか。

特に、

  • 1文の長さ

  • 結論の位置

  • 具体例

  • 言葉の強さ

  • テンポ

を見ます。

ショート動画では、文章として美しいことより、

耳で聞いて一瞬で理解できること

の方が重要です。

映像・テロップ・カメラワーク

動画は文章ではありません。

  • 人物

  • 商品

  • 背景

  • カメラ位置

  • 寄り・引き

  • カット数

  • テロップ

  • Bロール

  • 商品アップ

なども構成の一部です。

同じ台本でも、映像が変われば全く別の動画になります。

CTA

最後に何を促しているのか。

  • 保存

  • コメント

  • フォロー

  • プロフィール

  • 商品ページ

  • DM

などです。

投稿目的とCTAがつながっているかを確認します。


競合動画を参考にすると「パクリ」にならない?

競合動画を参考にすると、

「パクリにならない?」

という疑問も出てきます。

ここは明確に分ける必要があります。

例えば競合動画が、

朝これをやるだけで肌が変わりました

というセリフで始まっていたから、

同じ映像、同じセリフ、同じ展開を使う。

これはコピーに近くなります。

一方、

「結果を先に見せることで視聴理由を作る」

という構造を抽出して、

この設定を変えただけで問い合わせ率が変わりました

と、自社のSNS運用ノウハウへ転用する。

これは「型」の応用です。

真似するのは表現ではなく構造

見るべきなのは、

  • 同じ言葉

  • 同じ映像

  • 同じクリエイティブ

ではありません。

例えば、

  • 結果を最初に見せる

  • 疑問を作ってから答える

  • 比較で違いを可視化する

  • Before / Afterで変化を見せる

といった構造です。

「何をしているか」より「なぜ機能しているか」を見る

重要なのは、

表現をコピーするのではなく、機能を理解すること。

「このテロップを使う」のではなく、

「このテロップは動画内でどんな役割を果たしているのか」

を見る。

ここまで考えられれば、別の商品や業界にも応用できます。


AIは「企画生成」より「構造の変換」に使う

生成AIが普及すると、

企画案を100個出すこと自体には価値がなくなっていきます。

誰でもできます。

むしろ重要になるのは、

市場で起きていることを構造化する能力

です。

伸びた動画を見て、

「面白かった」

ではなく、

「なぜ最初の3秒で続きを見たくなったのか?」

「どの順番で情報を出しているのか?」

「なぜここで画角を切り替えているのか?」

「この動画の構造は別の商品でも使えるのか?」

まで考える。

そして、その分析をAIに渡す。

AIは「ゼロから天才的な企画を思いつかせるもの」というより、

市場で見つけたパターンを別のテーマへ変換する装置

として使った方が強い。

伸びた動画の構造をAIに読み取らせる

例えば参考動画を分析して、

参考動画の構造

  1. 衝撃的な結果を最初に見せる

  2. 「なぜ?」を作る

  3. 3ステップで解説

  4. 実際に試す

  5. Before / After

  6. 保存を促す

と分かったとします。

これをAIへ渡します。

その構造に自社の商品・サービス情報を入れる

例えば、

以下の動画構造を参考に、企業のSNS担当者向けに「AIを使ったリール台本作成」をテーマとした30秒動画へ置き換えてください。

内容やセリフはコピーせず、情報構造だけを利用してください。

と入力する。

すると、

成功している構造 × 自社テーマ

へ変換できます。

さらに、

  • 商品・サービス

  • ターゲット

  • 商品特徴

  • おすすめポイント

  • 訴求内容

  • 自社独自の知識

などを追加する。

つまり、

伸びた動画の構造
× AI
× 自社情報

で次の企画・台本を作る。

「何をAIに作らせるか」より「何をAIに見せるか」

これがAI時代のショート動画制作でかなり重要だと思っています。

AI時代に差がつくのは、「何をAIに作らせるか」より「何をAIに見せるか」。

何も材料を渡さずにゼロから企画を作らせるのか。

実際に市場で機能している動画を材料として渡すのか。

同じ生成AIでも、出てくるものは大きく変わります。


伸びた動画から逆算するショート動画制作の手順

ここまでを実際の制作フローにすると、次のようになります。

STEP1 市場から参考動画を探す

Instagram、TikTok、YouTube Shortsなどで実際の動画を見る。

まずは自社が投稿したいジャンルで、どんな動画が出ているのかを確認します。

STEP2 数字とアカウント条件を確認する

再生数だけで判断しません。

  • アカウント規模

  • 再生数

  • いいね

  • コメント

  • エンゲージメント

  • 投稿日

  • 投稿テーマ

なども確認します。

STEP3 動画を構造化する

参考動画を、

  • フック

  • 構成

  • セリフ

  • テロップ

  • 映像

  • CTA

などに分解します。

STEP4 伸びた理由を仮説化する

「伸びていた」で終わらせず、

なぜこの動画は見られたのか?

を考えます。

例えば、

  • 最初に結果を見せたから

  • 強い疑問があったから

  • 比較で違いが分かりやすかったから

  • 映像変化が多かったから

  • 保存したくなる情報だったから

といった仮説を作ります。

STEP5 自社情報を組み合わせる

次に、

  • 商品

  • サービス

  • ターゲット

  • 訴求ポイント

  • 独自情報

を入れます。

STEP6 AIで企画・台本へ変換する

参考動画の表現をコピーするのではなく、

構造だけを使って自社向けに変換する

ようAIへ依頼します。

STEP7 投稿結果を検証する

投稿したら終わりではありません。

  • 再生

  • 保存

  • コメント

  • 視聴維持

  • CTA

などを確認します。

そして、その結果を次の企画へ戻します。


毎回新しい企画を考える必要はない

企業SNSでは、

「毎回違うネタを投稿しなきゃ」

と考えがちです。

でも、実際には逆です。

反応された企画があったなら、

その理由を分析して使い続ける。

例えば、

「比較動画」が伸びた。

なら次に、

  • 商品AとB

  • 初心者と上級者

  • Before / After

  • やる人/やらない人

  • 昔/今

へ展開できます。

新しい企画を考えるより、

当たった構造を深掘る。

こっちの方が再現性があります。

当たった企画ではなく「当たった構造」を残す

重要なのは、

「このネタが伸びた」

だけで終わらせないことです。

例えば、

「iPhoneの便利機能」というテーマが伸びたとしても、

伸びた理由がテーマなのか、

比較構成なのか、

冒頭のフックなのか、

結果先出しなのかで、次にやることは変わります。

残すべきなのは、

企画そのものではなく、再利用できる構造

です。

ショート動画運用をアイデア勝負から仮説検証へ変える

ショート動画は、1本で正解を当てる必要はありません。

例えば、

A:結果先出し型

B:問題提起型

C:比較型

という3つの構造を試す。

投稿結果を見る。

Aが強かった。

次はAを、

  • 別テーマ

  • 別商品

  • 別フック

  • 別尺

へ展開する。

こうすると、企画制作が、

毎回アイデア勝負

ではなく、

仮説 → 検証 → 改善

になります。

Help→Hub→Heroにも応用できる

この考え方は、Roxで紹介している

Help → Hub → Hero

というHHH戦略ともつながります。

まずHelpを投稿する。

ユーザーが反応する。

そのテーマや構造を分析する。

反応したものをHubとして継続する。

さらに強い反応が確認できたらHeroとして広げる。

つまり、

最初からHeroを当てにいかない。

市場の反応を見ながら、小さく勝ちパターンを作ってから広げる。

これも「伸びた動画から逆算する」という考え方です。


RoxDirectorなら「伸びた動画→自社台本」までつなげられる

一般的な生成AIでは、

参考動画を自分で見つける。

数字を確認する。

文字起こしする。

構成を整理する。

それをAIへ入力する。

という作業が必要です。

RoxDirectorでは、この前工程をショート動画制作向けにまとめています。

競合・人気動画を検索する

RoxDirectorでは、Instagram上の競合・人気動画を探しながら、

  • 再生数

  • いいね数

  • コメント数

  • ENG率

  • コンテンツスコア

などを確認できます。

つまり、

企画会議から始めるのではなく、最初に市場を見る

ことができます。

動画の構成・セリフ・映像をAIで分析する

さらに参考動画について、

  • 文字起こし

  • シーン構成

  • テロップ

  • セリフ

  • 映像内容

  • カメラワーク

などを確認できます。

ショート動画分析を、

「100万再生された」

で終わらせず、

「100万再生された動画が、どのような構造で作られていたのか」

まで見る。

その分析結果が、次の企画の材料になります。

参考動画から自社向け台本を生成する

参考にする動画が決まったら、

RoxDirectorではその動画を起点に台本生成へ進めます。

従来は、

AIさん、何か伸びる台本を作ってください。

だった。

これを、

この動画の構造を参考に、自社向けの新しい台本を作ってください。

へ変える。

さらに、

  • 商品・サービスURL

  • 商品特徴

  • ターゲット

  • おすすめポイント

  • 訴求内容

などを入力する。

そこで、

参考動画の構造
× 自社商材
× AI

で新しい台本を作ります。

RoxDirectorは、単純に「企画を考えるAI」ではありません。

市場で見つけた勝ちパターンを、自社のショート動画へ変換するためのAIディレクターです。


まとめ|AI時代は「企画力」より勝ちパターンを見つける力

これまでショート動画制作では、

「企画力のある人」

が重要でした。

もちろん今後も企画力は必要です。

ただ、AIによって、

ゼロから100個のアイデアを出すこと自体は簡単になりました。

だからこそ重要になるのは、

実際の市場から、再現可能な勝ちパターンを見つけること。

そして、

そのパターンを自社の文脈へ変換すること。

です。

ショート動画は、

「次は何を作ろう?」

から始めなくていい。

まず、

「今、何が実際に見られている?」

を見る。

その結果をAIで構造化して、次の動画へ変える。

市場を見る
→ 分析する
→ 構造化する
→ 自社向けに変換する
→ 投稿する
→ 検証する

この流れを繰り返す。

企画をゼロから生み出すのではなく、市場から逆算する。

これがAI時代のショート動画の作り方です。


よくある質問

ショート動画の企画はどうやって考えればいいですか?

毎回ゼロから考えるだけでなく、まずInstagramやTikTokなどで実際に反応されている動画を調べます。

その動画のテーマだけではなく、冒頭フック、情報の順番、シーン構成、映像、CTAなどを分析し、自社向けに置き換えていきます。

AIでショート動画の企画を作れますか?

作れます。

ただし「企画を10個考えて」とだけ依頼すると一般的な案になりやすいため、参考動画、市場情報、ターゲット、自社商品などをAIへ渡した方が具体的な企画を作りやすくなります。

競合の伸びた動画を真似してもいいですか?

セリフや映像表現をそのままコピーするのではなく、冒頭の作り方、情報を出す順番、シーン構成などの「構造」を参考にします。

自社独自の情報や表現へ置き換えることが重要です。

伸びたショート動画は何を分析すればいいですか?

企画、冒頭フック、構成、セリフ、テロップ、映像・演出、CTAなどをシーン単位で確認します。

再生数だけではなく、なぜ続きを見たくなったのかまで分析します。

AIを使えばショート動画は必ず伸びますか?

いいえ。

AIはリサーチ、分析、企画、台本作成を支援できますが、実際のパフォーマンスはテーマ、アカウント、視聴者、制作品質、配信状況など複数の要因に左右されます。

投稿後の結果を次の企画へ反映することが重要です。

RoxDirectorでは何ができますか?

競合・人気動画の検索、動画の文字起こしやシーン構成の分析、テロップ・セリフ・映像内容の確認、参考動画からの自社向け台本生成など、ショート動画のリサーチから次の制作までを支援できます。

関連記事候補

Share this article

HOME

ショート動画は「企画」から考えるな|伸び...